
釣りをするには釣具店で道具をそろえるのがベターだが、釣り具などの整理も考えるなら、ホームセンターや100円ショップでも十分役に立つアイテムが手に入る。釣りをよりリーズナブルに楽しめる便利グッズをあれこれ紹介。
(北條 正史)

素材が厚く破れにくい「特厚ビニール袋」
最近、非常に便利な「サケ袋」が釣具店に出回り始めた。サケの魚体の長さにマッチし厚手で、これに魚を入れた上でクーラーボックスに収納すれば中が汚れず、瞬く間にサケ釣りファンの必需品となった。それならサケ以外の魚にマッチする袋はないものかと探してみたところ、たどり着いたのが100円ショップで見つけた「特厚ビニール袋」だ。
厚みが0.08mmもあり、ソイのとげが刺さったくらいではそう簡単に穴は開かないう。徒歩でのアプローチが長い磯場での釣りは、クーラーボックスが持ち込めないシチュエーションも多いが、魚をこの袋に入れバッグやリュックで持ち運べば、中が汚れることもない。
これよりさらに大きな特厚袋が「漬物用袋」だ。漬物をたるで漬けるための袋は、一番大きなもので100×90cm。約90リットルもの収容力があり、過去にサケを10匹近く入れても破けずに持ち運べた経験がある。「漬物用袋」はホームセンターなどで販売しており、価格も数枚入って数百円程度と非常にリーズナブル。「特厚ビニール袋」も「漬物用袋」もビニールが厚いため口を縛るのが難しく、太めの輪ゴムやひも、結束バンドなどで閉じるといい。




豊富なサイズで幅広い用途「食品保存用袋」
こちらも釣り具の収納から魚の保存など幅広い用途で使えるので、車に1、2枚は常備しておきたい一品。仕掛けなどの小物の収納には100円ショップで購入できるチャック付きのビニール袋が便利だ。サイズが豊富で15~40枚入りがワンコインで買え非常にリーズナブル。釣り場で出た糸くずなどのゴミ入れにも有効活用できる。


魚の保存に最適「真空パック器」
魚を冷凍保存するとき、真空パック器を使うと冷凍焼けの心配がほぼなくなるので大変重宝する。魚だけでなく生エサの保存にも役立つ。塩で締めたイソメなどの虫エサやカツオなどの身エサも、真空パックすれば2年は持つ。ただし、まれに袋が破れて空気が入り込むこともあるので、時々チェックした方がいいだろう。
真空パックには専用の袋が必要となる。空気を抜くための通り道に凹凸の溝が付いている専用の袋は少々割高なので、安価に済ませるなら前述した特厚袋を利用するのも手。100円ショップで販売されている排水溝用の水切りネットを短冊状に切り、特厚袋の空気を抜く通り道の部分に挿入して空気を抜けば、普通に真空パックすることができる。専用の袋に比べて値段が3分の1以下で済むので非常に割安だ。
ただしシーラーの圧着が少し弱くなるので、時々空気が抜ける場合があるので、こちらも時々チェックした方がいい。少し値は張るが、専用袋が不要な真空パック器もあるので検討してみてほしい。真空パック器本体の価格は安いもので1万円前後。専用袋不要のタイプは1万5千円前後から購入できる。これがあれば意図せず釣り過ぎた魚や、余ったエサなども無駄なく消費できる。


鮮度落ちを防ぐ「保冷袋」
クーラーボックスの保冷に欠かせない氷や保冷剤。最近のクーラーボックスと保冷材の進化は目を見張る物があり、特にクーラーは低グレードの物でも保冷力が高い。保冷剤も氷点下の温度を長時間キープできるものがあり、1、2泊程度の釣行であれば保冷剤の入れ替えも不要だ。
ただしクーラーボックスが小さいと魚や飲料が保冷剤に接して凍ってしまい、せっかく鮮度の良い魚の味が落ちてしまう。炭酸飲料を凍らせてしまうと、開栓と同時に吹き出す可能性もある。だからといって大き過ぎるクーラーは、保冷剤が少ないと保冷力に欠けてしまう難点も。
そこで役立つのが100円ショップのアルミ保冷袋だ。保冷剤をこの袋に入れて使用すれば、魚などに接していても凍ることがない。保冷剤はむき出しで入れ、魚や炭酸飲料を保冷袋に入れてもいいだろう。夏場に生エサを使用する際も、鮮度が落ちるのを防ぐため保冷袋に入れておこう。冬場も生のイソメが凍ってしまわないよう、保冷袋がお薦めだ。



軽量ラックを手作りで「イレクターパイプ」
スチールパイプにプラスチックをコーティングし丈夫で軽量、さびにも強いイレクターパイプを使い、オリジナルのラックを製作するDIYが流行している。パイプは専用のカッターや金ノコを使えば切断できる。このパイプと結合部品のジョイントを使えば、オリジナルのラックを作成できる。ジョイントには専用の接着剤もあるので電動工具などは不要だ。
車中泊を好む人は、このパイプでカーゴスペースに高床式のベッドを作り、下に荷物を入れるスペースを設けているケースが多い。このパイプを使えば、車内という限られた空間を有効活用できる。筆者はこのパイプを使って車載用のラックを作成した。
釣り具を積む際は、クーラーボックスなど堅牢な物を下に置き、その上にロッドケースなどを重ねて積むのが一般的。しかし車中泊の際や、クーラーボックスから飲み物を出すたびに上の荷物をよけなければならず面倒臭いこと。特に車中泊する際はクーラーボックスを開け閉めすることが多いため、クーラーボックスが一番上に来るようにラックを自作した。
クーラーボックスの下にはタックルバッグや三脚、サオ立て、折り畳椅子などの長物やかさばる物を入れると整頓できる。材料費は2千円弱とリーズナブル。専用のパイプカッターはピンキリだが、安いものは千円以内で購入できる。100円ショップでも購入可能な金ノコでもいい。



さまざまなアレンジが可能「インテリアバー」
元々は車内で衣服を吊したハンガーを掛けるために作られたものだが、これが釣りをする人にはかなりのお役立ちグッズとして応用できる。最近は釣具店でも見かけるようになってきた。
車内のアシストグリップに掛けるだけで簡単にセットができ、車のキャビンの前と後ろに2本セットすればロッドホルダーとしても使用できる。ロッドの固定には様々なアタッチメントがあるが、マジックテープなどで固定するだけでも問題ない。
私はアシストグリップの下に専用のロッドホルダーをセット。ロッドはもちろん、タモの柄や傘も収納している。2本のアシストグリップの間には伸縮性のあるネットをはりわたし、ここに軽い物を収納している。さらにアシストグリップの上にベッド用の板を収納している。収納した板が急ブレーキで荷崩れしないよう。しっかりと固定しよう。



工夫次第で使い方は無限大「ディスプレイネット」
よく店頭で商品を陳列する際に使用されているこのネットやフックが、100円ショップで手軽に購入できるようになった。ネットの大きさやフックの種類も豊富で、フックだけではなく、バスケットタイプの物まであるので釣り具の整理、仕掛けなどをつくる小道具の整理になどに非常に役に立つ。壁に取り付ける際にもビスなどは使用せず、専用のピンがあるので小さなハンマーがあれば容易に壁に取り付けられる。また壁に付けるだけでなく、箱型にしてラック代わりに作成する御パーツも売っている。





見つけやすく取り出しやすいなど利点が多い
電動消しゴムで自作「ワカサギ用電動リール」
最近100円ショップやホームセンターで購入できる商品を利用し、ワカサギ用電動リールを自作する方が多数く見受けられる。電動リールの心臓であるモーター部は、100円ショップの電動消しゴムを利用。かなりユニークな発想だ。ラインを巻くスプールは、ミシンで使用するボビンを転用。こちらも100円ショップで購入できる。棚カウンターや巻き込み防止装置こそないが、使用感は市販されている製品と大差ない印象だ。
こうしたDIY愛好者たちが自慢の自作リールをSNSに投稿するなどして、実釣以外もネットワークを利用し楽しんでいる。ちなみに下記の写真は、札幌在住の知人のワカサギ用自作電動リール。4年前から製作し8台も試作を繰り返して今の形に落ち着いた。製作費は1台1200円前後と非常にリーズナブル。今後も進化しそうな気配を感じる自慢のオリジナル電動リールだ。

