噴火湾は6月中旬ごろからハモが狙え、シーズンは晩秋まで続く。これからのハモは脂が乗り非常に美味だ。そんなハモに最適な仕掛けを紹介し、魚影が濃い噴火湾方面の6つのフィールドの攻略法も紹介。これから旬を迎える秋の味覚を釣りに行ってみよう。
(大西 勇輝)

 

エステルラインでトラブル知らず

仕掛けは胴突き2本バリが基本。L型テンビンでもいい。遠投に分がある釣り場にも対応できるように、上バリだけの1本バリ仕掛けや下バリだけの1本バリ仕掛けを用意する。中でもL型テンビン仕掛けは遠近両方に対応できるので非常にお薦めだ。

L型テンビンはステンレス線0.8号を使用する。ミキ糸はナイロン16号で、ミキ糸上端から上バリまでの間隔は15~20cmとる。上バリから下バリのL型テンビンまでの間隔は経験上60cm前後が適切だ。上バリのハリスは20cm前後、L型テンビンに接続するハリスは30cm前後。ハリスはエステルラインの8号を使用する。エステルラインは伸びが少なく、当たりがダイレクトに伝わるのが利点。糸の性質上、張りがあり絡みにくいのも特長で、筆者は好んで使用している。

ハリは三越ウナギバリやウナギバリの16号を使用。ビックサーフやカレイバリの15号前後も使える。「ハリが大き過ぎないか?」と思われるかもしれないが、意外に凶暴なハモはしっかり食い込むことが多いので、ハリが大きくても問題ない。

仕掛けにケミカルライトを取り付けるのも有効で、ゴム管の特大サイズを2cmほどの長さにカットしてあらかじめL型テンビンに通しておき、釣り場でケミホタルを取り付ける。私はイエローやレッドのケミホタルを好んで使用している。

ハモ釣りの必需品ケミカルライト

エサ 〜イカゴロ混ぜて効果倍増〜

エサはマイカの短冊がメインで、最低でもマイカがあればハモ釣りは成立する。短冊はイカの胴体を縦に半分に切ってから輪切りにして作る。短冊の幅は2cm幅でカットしておき、後は実際の釣り場の状況に応じて改めてカットすることもある。食いが渋い時はその場で1cm幅にカットしたりする。

筆者はイカの胴だけでなく、ゲソ(足)も1本掛けで使う。エンペラも同様に2cm幅でカットしておき、エンペラ、ゲソ、細かく刻んだ胴体、そしてイカゴロを密封容器に入れて混ぜ込む。この状態で一晩寝かせると身にイカゴロエキスが染み込むので、集魚効果が大幅に向上する。他には塩サンマの短冊、塩サバの短冊、塩イソメも用意すると安心だ。

エサのイカの短冊は状況に応じて現地でカットして大きさを変える

道糸と力糸の結び方について

こぶが小さくトラブルが少ない「電車結び」が一般的。オルブライトノットも簡単なのでお薦め。

 

噴火湾オススメ釣り場

【室蘭港】 〜車横付けで釣れる人気釣り場〜

広大な港の中でも崎守埠頭がお薦め。同埠頭は岸壁に車を横付けできるので、車内から当たり見守れるのがいい。水深も十分で、遠近投げ分けてバラ根を丹念に攻めると釣果に結び付く。

A点は沖50m付近にバラ根があり、ハモやクロガシラの好ポイントになっている。エサは断トツでイカの短冊と塩イソメの相掛けに実績があるが、塩サンマと塩イソメの相掛けで大物が釣れたことがある。

タックルは、ロッドがオモリ負荷30号ほどで、リールはナイロン2号やPEライン0.8号が200m巻けるものを使用する。

【伊達漁港】 〜トイレ隣接でファミリーもOK〜

清潔なトイレが隣接しているので家族連れにもお薦めできるのがここ。南防波堤の外海側が主な釣り場で、A~C点は遠投で攻め、仕掛けをさびいてバラ根を探すのが有効。

エサは、塩イソメとイカの短冊の相掛けや、サンマの短冊に実績がある。外道のヒトデやガヤが多いので、根気強く狙うことが肝心だ。ロッドはオモリ負荷30号ほど。リールはナイロン2号やPEライン0.8号が200m巻けるものを使用する。

ラインを巻き取る際は消波ブロック上になることが多いので、ブーツはスパイク付きや滑り止め付きを常用し、転落事故のないよう十分注意したい。

【エントモ岬(伊達市)】 〜良型狙えアブカジは大物も〜

同岬はアブラコやカジカの大物も狙える釣り場で、ハモは良型が少なくない。A点の岬を起点に右岸側一帯がポイントになる。

ゴロタ場周りやゴロタ場と砂地の境目を攻めるので、タックルはオモリ負荷35号前後、リールはPEライン4号が200m巻けるものを使用する。根掛かりを恐れずに攻めると好釣果に結び付くことが多い。エサはイカの短冊やゲソの1本掛け、サンマの短冊がお薦め。

アルトリ岬(伊達市)】 〜ゴロタ場、魚礁が点在する好ポイント〜

野営キャンプ場としても知られ、無料でキャンプが楽しめる。岬の左側がハモの好ポイントで、中間部付近のA点は、海を正面に見て、基部の砂浜と平行に7〜8時方向にキャストすると砂地に岩盤、ゴロタ場が点在するエリアを狙える。

冬になると穴ごもりすることから「穴子」の名が付いたように、ハモは穴に潜って冬ごもりする。そのためゴロタ場も外せない絶好ポイントといえる。

B点は砂浜から沖に沈む魚礁に向かって遠投するポイント。魚礁までは約200mと遠く、狙うのは難しいが、至る所にバラ根が点在している。仕掛けを投げた後はリールを巻いてさびき、重みを感じるところ、すなわちかけ上がりに仕掛けを置いて当たりを待つ。辛抱強く打ち返せば釣果に結びつくので根気強く粘ろう。

ロッドはオモリ負荷35号ほどを使用。リールはPEライン4号が200m巻けるものがいい。エサはイカゲソの1本掛けと塩イソメの相掛けに実績がある。

虻田漁港大磯地区(洞爺湖町)】 〜以前から知られたハモの巣窟〜

この港は元々アブラコやハモの釣り場として有名だった磯の上に作られたので、「ハモの巣窟」と言われるくらいハモや根魚の魚影が濃い。港からちょい投げで港内の船道を狙うのもいいが、基本的には外海側の中投げがお勧めだ。

A点は12時方向を起点に左右に投げ分け、沖60m付近から30m付近までさびいて丹念に探る。手前は消波ブロックやゴロタ場が点在しているので注意しよう。あえて消波ブロック周りやゴロタ場周辺を狙う際は、PEラインは太い4号を使用する。

B点は消波ブロック越しの釣りになるので十分注意。80mほど投げてバラ根周辺を攻めるといい。

C点は胸壁越しに外海側に50m前後投げてバラ根を攻める。タックルは、ロッドがオモリ負荷30号ほどでリールはナイロンライン2号やPEライン0.8号を200m巻けるもの。エサはイカの短冊に実績あり。

豊浦フィッシャリーナ(豊浦町)】 〜釣りもキャンプも楽しめる〜

この釣り場は、成人男性の胸くらいまである柵が設置されている釣りデッキがあるので、子ども連れのファミリーも安全に夜釣りが楽しる上に、豊浦海浜キャンプ場と豊浦温泉しおさいが隣接しているので釣りキャンプにも最適だ。

全体的に水深は浅くA点およびB点は遠投が有利。沖90m付近のバラ根を攻めるとハモが数釣りできる。C点は船道を攻めてハモを狙う。C点から遠投も可能だが南防波堤のテトラ帯周辺で根掛かりするので注意する。

A~C点いずれもタックルはロッドがオモリ負荷30号程度、リールはナイロン2号やPEライン0.8号が200m巻けるものを用意する。エサはイカが有利で、塩イソメとの相掛けで数釣りの実績がある。サンマの短冊やサバの短冊を使うとソイやガヤが掛かりやすいので使用は控えたい。