サケマス河口規制が始まって間もない2日朝、せたな町後志利別川河口の左海岸で66cm、4.4kgもある大型のサクラマスが上がった。

 今金町の鷲野恵一さんは午前6時に同川河口左にある駐車スペースに到着。1日から河口両海岸に1kmの河口規制が設定されたため砂浜を1km以上歩き、規制の範囲外でロッドを振った。3月は多くのアングラーであふれていた海岸は規制が始まったせいか、当時のような混雑はなし。当日はほぼ無風だったが、海には若干うねりがありまずまずの好条件だった。

 そんな海へ向け、約10フィートのルアーロッドで14cmのミノーをキャスト。しばらく当たりはなかったが、開始30分後、突然「ドスン!」と腹に響く衝撃がくる。と同時に一気に走り出した魚は、大物の予感がひしひしと漂う手応えだ。手に汗握るファイトの最中、ずっとガシャガシャと硬質な感触があり、ばれやしないかと終始冷や冷やのしっぱなし。長いファイトの末になんとか砂浜にずり上げたのは本命のサクラマス、しかも「超」の付く大物だ。手応えがガシャガシャしていたのは、トレブルフックを2本とものみ込み、口の中でミノー本体が暴れていたからだと推察された。

 「それなりに波があったのでタイミングを見計らいずり上げたが、波がなければ上げられたかどうか」と話す鷲野さん。サクラマスはここ数年で最も不調だとのことだが、3kg台だった自己記録を大幅に更新した獲物は、これまでの不調を挽回するのに十分な1匹だった。
(せたな・江上 弘巳)