小ぶりでも青物特有の小気味いい引きが魅力のサバ。北海道では通常サビキ釣りが一般的だが、ワームを使ったライトリグで釣るとより刺激で、ゲーム性の高い釣りが楽しめる。
(坂井 宏彰)
【基本的なアクション】
主なアクションはたた巻き&トゥイッチングとダートアクションの2種類がある。
❶ただ巻き&トゥイッチング
ワームを前方に投げて着水後、少し沈めてからリトリーブしつつ時折小刻みにサオ先を動かしてワームの動きに変化をつける方法。サバは、リトリーブだけだと追ってはくるが食い付かないことが多いので、合間にトゥイッチングを入れることでワームの動きに変化を付けて食わせる。
❷ダート
ワームを前方にキャスト、もしくは足元に落とし込んで2〜3m沈めてから、ロッドを上下左右に動かしワームを左右に素早くダートさせる。素早い不規則な横の動きで捕食本能を刺激し、リアクションバイトを狙う釣り方。当たりはダート直後に多い。たとえミスバイトでも、ダートを続ければ別の魚が食いついてくることが多い。ただ巻き&トゥイッチングに比べてアピール力が高い半面、魚がすれやすいので、状況に応じてアクションを使い分けよう。
サバゲーム推奨タックル
ロッド
アジング、メバリング用やライトトラウト用が適している。長さは5〜7フィート。アクションは1〜2g程度の軽量ジグヘッドが扱いやすいもので、UL(ウルトラライト)クラスやL(ライト)クラスが向いている。
リール
ライントラブルの少ないスピニングリールがお薦め。番手は1000〜2000番の小型が適している。軽量のジグヘッドは糸ふけが出やすいので、素早く糸ふけが取りやすいハイギアタイプがいい。
ライン
ナイロンラインやフロロカーボンが適切。太さは1号(4LB)もしくは1.5号(6Lb)程度。サバ狙いのラインとしては細めに感じるかもしれないが、ドラグさえしっかりと調整すれば30cmほどの良型が掛かっても問題ない。
ジグヘッド
ウェートは1〜2g程度。ジグヘッドの形状には種類があり、サバゲームでは主にラウンドタイプと矢尻型の2種類を使う。ラウンドタイプはジグヘッドでは一般的な形状で、シチュエーションやアクションを問わず使いやすい。半面、潮の流れを受けやすく、矢尻型に比べると動きは控え目だ。矢尻型は先端が尖る鋭利な形状で、ダートアクションとの相性がいい。積極的にワームを動かして魚の活性を上げたり、キビキビと誘いたい場合に効果的だ。同じワーム、同じアクションでも組み合わせるジグヘッドによって動きやダートスピードが変わってくるので、実際に試して適正を把握したい。
ワーム
サバは主に小魚を捕食するので、ワームも小魚を模したものが適している。具体的にはピンテールやシャッドテールがよく、サイズは2インチ程度が向いている。カラーはチャートやオレンジ、ピンクの他、クリアやブルーなどもいい。そのときの状況によって効果的なカラーが変わることがあるため、何種類か用意しておくといい。
サバゲーム実釣体験
ダートアクションがはまり、次々とヒット!
9月下旬、道南某港でサバゲームに挑戦した。タックルは普段渓流で使用している5フィートULのライトトラウト用ロッドとハイギア2000番のスピニングリールの組み合わせ。ラインはナイロン4Lb。ジグヘッドはラウンド型1.5g。ワームは2インチのピンテール。カラーはサバにワームの存在をアピールするため、ピンクからスタートした。
10mほど投げ、着水したら数秒沈めてゆっくりただ巻き。時折トゥイッチングで動きに変化をつけた。するとトゥイッチングした直後に何度かサバのチェイスがあったが、残念ながらノーヒット。10分ほど粘ったが状況が変わらないので、投げる距離や方向はそのままに誘い方だけをダートアクションに変更した。
するとこれが奏功し、サバの反応が上昇。明らかにチェイスする回数が増え、すぐ17cmほどのサバが釣れた。この1匹を皮切りに次々とヒットが続く。ダートしたワームにバイトするサバの姿がじかに見えるなどエキサイティングなファイトが楽しめた。
結果、1時間弱で15〜20cmほどのサバを計10数匹キャッチ&リリースできた。サバゲームでは、状況に応じたアクションを素早く見つけることの重要性を実感できた釣行となった。
実釣を通じて感じたサバゲームの注意点
ローテーションで飽きさせない
同じカラーや同じワームばかり使い続けているとサバが慣れてしまい反応が悪くなることがある。そのため、釣れないときはもちろんのこと、釣れているときもまめにワームのカラーや種類を変え、できる限りサバに見切られないようにすることが重要だ。
ワームの姿勢に注意
数を釣るうちにワームのセッティングがずれてしまうことがある。本来の姿勢からずれるとワームの動きが崩れてしまい見切られることがある。そのため、ワンキャストごとにずれていないか欠かさずチェックする。